三上悠亜さんが帽子ブランドとコラボしたことでX(Twitter)上でさまざまな誹謗中傷を浴びせられ、開示請求を行う事態になりました。Xはイーロン体制になる前からトラブルの絶えないSNSではありましたが、ここ最近はますます混迷の度を深めつつありますね。
私は三上さんのことはあまり知らないので、このコラボ自体にどうこう言うつもりはありません。ただ、CA4LAというブランドは以前も三上さんとのコラボを行っていて、大成功していたようです。三上悠亜さんが若い女性に絶大な人気があるため、広告効果が高かったのでしょう。だから今回も起用したわけです。
こういうことがあるたびに思うのは、「もうそろそろSNSから離れるときでは?」ということです。まったく使わないわけにもいかないかもしれませんが、Xのような殺伐としたニュースが目に入ってしまう場所からは距離を置いたほうがいい気がしています。SNSでわざわざストレスをためて、いやな思いをして、何の得があるのでしょうか。
三上悠亜への批判が多少ネット上で盛り上がったところで、帽子ブランドが大人気であることは揺らぎません。ここ最近、「ネットと現実を分けて考えるのは古い」といった見方が台頭しつつあるように見えますが、ネットはしょせんネットではないでしょうか。三上さんは人気があるからコラボするブランドが出てくるのですし、帽子を買うのはリアルに店舗に足を運ぶ人たちです。ネットで文句を言ってる人達ではありません。文句が出たからCA4LAがコラボをやめるわけでもないので、結局ネット民にはなんの影響力もありません。
同じことを、都知事選の候補者にも感じます。X上だけを見ていると、泡まつ候補の名前もトレンドに出てくるので、すごい勢いがあるかのように見えます。ですが、現状ではほぼ現職の小池都知事が再選する勢いであって、いちばん有力な蓮舫さんですら苦戦しているのです。泡沫候補になど出番があるわけがありません。ネット上では大量の支持者を抱えているように見える候補も、しょせんは一部界隈で人気を得ているだけなのです。ネット上で多少盛り上がったところで、選挙の大勢にはなんの影響もありません。
もっとも、たとえ少人数でもその中に不心得者がいれば、その人が現実に影響を及ぼすことはあります。三上悠亜さんを中傷した人は多くはないのでしょうが、それでも心ないことを言われればショックを受けるわけで、だからこその開示請求なのです。この事態を軽く見るわけにはいきません。ただ、ここで言いたいのは、こうしたネットでの騒動がそこまで世の中を大きく動かすことは稀だ、ということです。ある特殊な傾向を持つ人がネットでそれなりの数集まり、集団で大きな声を上げたところで、それが内輪の盛り上がりを超えることはめったにありません。ここ最近だと、政治を動かすまでに至ったのは「保育園落ちた日本〇ね」くらいでしょうか。これは、タイトルのキャッチーさが潜在的に待機児童の不満を抱える層に訴えかけることに成功した例です。文章を書いたのはただの素人ではないと思いますが。
あと5日もすれば都知事選の結果も明らかになりますし、その時にネット上のさまざまな候補者の支持者たちの盛り上がりも、しょせんは局地的現象にすぎなかったことが明らかになるでしょう。もう私はかなりネットから覚めかけていますが、都知事選の結果を見て、もう一段階「覚め」たいと思っています。ネットは現実に根を張っていないと体感できれば、さまざまな嫌なブームを目にしても、「こんなのは泡みたいなものだ」と無視できるでしょう。そもそもネットで声の大きい人たちは、現実に根を張ってないからこそ大声で叫ばなければならないのです。その必死さに想いを馳せれば、煽り屋たちからうまく距離をとれるのではないでしょうか。